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地熱発電は、地熱で熱された熱水や蒸気を利用してタービンを回して発電するのが基本です。
発電方式は熱水の温度帯や、蒸気を取得する手段(自然のもの、人工的に作り出したものなど)、地下深度などによって定義されているというのが管理人の理解です。

地熱エネルギー利用体系概念


1.蒸気フラッシュ発電


現在、日本で稼働している地熱発電所は、ほぼ全てこれ。自然に作り出された蒸気を利用しています。

出典:東北発電工業(株)Webサイト

蒸気フラッシュ発電


2.バイナリーサイクル発電


ペンタンやアンモニアなど水よりも沸点の低い媒体へ、熱水の熱を熱交換し、この媒体の蒸気でタービンを回転させる方法。通常ならば蒸気化が難しい低温の熱源でもエネルギーとして利用できるため、世界的に需要が高まっている方式です。ただし出力は蒸気フラッシュ発電に劣ります。

出典:資源エネルギー庁
バイナリーサイクル発電


3.カリーナサイクル発電


バイナリーサイクル発電の一種です。53〜150℃の熱水を利用しますが、発電に使った湯水を浴用に適した温度で用いることができます。新たな掘削を行うことなく、現在は廃棄されている温泉水を用いた場合だけでも72.3万kWの市場規模が見積もられています。
さらに新たな掘削を行った場合、53〜150℃の熱水に限っても833万kWの市場規模で、国土面積の22.2%が対象地域となり全国展開が可能です。

日本地熱学会
地熱促進三大イベントGATE Day

パラダイム転換としての地熱開発推進 講演資料 P23より引用

カリーナサイクル発電


4.高温岩体発電


地表近くに熱水資源がなくても、地中を深く(3000m以上)掘れば熱をもった岩盤(300〜400度)が存在します。岩盤まで深く穴を掘り、そこに水を注入して人工的に熱水を作って利用するのが「高温岩体発電」です。日本では実験レベルで実績があり、見えない地中深くで熱水だまりを形成する方法や要する時間、注入した水の量に対して、取り出せる熱水や蒸気の量が場所により異なる事などが課題になっています。


 

出典:高温岩体発電システムの開発 〜 NEDO肘折プロジェクト 〜
高温岩体発電


詳細は、電中研レビュー第49号 未利用地熱資源の開発に向けて −高温岩体発電への取り組み− を参照下さい。
(財)電力中央研究所の研究報告書検索の報告書件名に「高温岩体発電」を入力して検索すれば、より多くの研究成果の閲覧が可能です。下記は検索結果です。

検索結果



5.マグマ発電


坑井内同軸熱交換器(DCHE)により、完全クローズ式の熱交換により発電するようです。まだ研究段階だと思われますが、研究費がないため進んでいないものと推測されます。

出典:盛田氏(産業技術総合研究所 研究員)のWebサイト

マグマ発電   マグマ発電
DCHE    
DCHE


電中研レビュー第49号 未利用地熱資源の開発に向けて −高温岩体発電への取り組み− の「第9章まとめと今後の課題」でふれられています。


6.EGS発電


地下深度10Kmまで掘削し、場所を選ばず高温岩体発電するものの事を、そう呼称しているようです。
米国、オーストラリア、ドイツなどが積極的な研究開発を行っています。技術的に確立されれば地熱資源国の定義が変わるのではないかと推測されます。
グーグルがEGS発電に1000万ドルを投資したと伝えられています。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080820/313037/



日本地熱学会
地熱促進三大イベントGATE Day

パラダイム転換としての地熱開発推進 講演資料 P31〜

EGS発電


7.パワーチューブ


蒸気や熱水に依存せず、バイナリーサイクル発電ができるユニットを地中深く投入して発電を行う事を指しているというのが管理人の理解です。一時期盛り上がったようですが、芳しい成果が出ていないのか最近話題にのぼっていない模様です。
大深度の掘削が確立されれば状況に変化があるかもしれない希望的観測から、忘れないために記載します。

新方式の地熱発電: http://wiredvision.jp/archives/200201/2002010705.html
パワーチューブ社: http://www.powertubeinc.com/

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